庭の紫陽花も色づいてまいりました。
今月は絵画です。
一年に一回、筆洗いや絵具の使い方、3原色で色々な色が造れることをおさらいし、その上で毎年違う画家の作品を模写してきました。
3原色と白色と黒色だけで色を造っていくことと、短い時間の中で仕上げないといけないという制約もあり、あまり写実的な難しい絵は選べません。
お子さん達が描きやすいように、今年は熊谷守一さんの絵を模写することにいたしました。
熊谷守一さんと言えば昨年は、東京国立近代美術館で「没後40年熊谷守一生きるよろこび」展が開催されましたし、名優、山崎努さんと樹木希林さんがご出演された映画「モリのいる場所」(←click here)も公開されました。
東京都豊島区には熊谷守一さんの美術館「熊谷守一美術館」(←click here)もありますので、お近くまでお出かけした際には足を運んでみてはいかがでしょうか。
さて、毎年行っているこの3原色での模写ですが、様々な良い効果があるので繰り返しています。
まず、忘れかけていた基本的な道具の使い方を思い出して頂くことができます。
それから、チューブからそのまま出した色ではなく、画面に合った色味を自分で混ぜて作る体験から、次回の絵画の色合いを工夫して頂けるようになります。
そして、画家の絵を模写することで画家やその作品に興味が湧き、絵を鑑賞するだけでは得られない作者の意図やねらいなどを推測することができるため、とても良い学びになります。
お子さん達はどうしても、上手で写実的な絵が良い絵だと思いがちです。今回の熊谷守一さんの絵では、写実的でない絵画がなぜ評価されているのか、という気づきも得られたのではないでしょうか。
お子さん達は工作が大好きですが、絵は嫌いではないけれど面倒だというお子さんが多いです。他の習い事もそうですが、楽しいことだけではなかなか良い学びにはなりません。
今の自分を超えるために学び、その学びが楽しくあってくれたら嬉しいです。
完成した模写は、お子さん達がそれぞれ自分の好きな色に変更したこともあり、色々な色合いの個性の出た模写が完成しました。
皆さんはどの色合いがお好みでしょうか?