台風一過、真夏に戻ってしまったかのような蒸し暑さに、爽やかな秋が待ち遠しくなります。
今月は絵画です。秋になると毎年デッサンを行ってきました。
「デッサンいやだ~。」
とおっしゃるお子さんもいらっしゃいますが、観察力を磨いたり、自然から学んだりすることができますし、小学生はデッサンが上手で「描けた!」という自信に繋がるようなので、一年に一回は今後も行いたいと思っております。
デッサンに入る前に、今回は「絵画の誕生」(同朋社出版)という本を使って画材の誕生についてのお話と、クロッキーを行いました。
「絵画の誕生」という本には、炭や土の粉を使って描かれたらラスコーの洞窟の壁画の時代から始まり、時代とともに進化してゆく画材や手法などが、面白い「しかけ」つきで紹介されています。
パピルスの茎から世界で最初の紙がつくられたことを、実際のパピルスの紙の見本つきで説明されており、お子さん達は紙を触って質感を確かめていらっしゃいました。
絵具をまずつくることから始めていた時代の事を知ると、様々な画材を安価で自由に使い自由に描ける現代に生まれた私たちは幸せだと感じます。
本のご紹介の後は、「デッサン」と「クロッキー」と「スケッチ」の違いについてお話させて頂きました。
この違いは中学の美術で勉強するようなので、かなり先取りの勉強になりますね。
お子さん達はデッサンの時にモチーフ(描く対象)のはじっこの方から細かく描いてゆき、描き進める内に形が大幅に間違えていることに気が付き、だいぶ描き進めたのにも関わらず描き直さなければならない、あるいは時間内に何を描いたのかわからないまま終わってしまう、という事態に陥ることが多々あります。
クロッキーは短い時間で全体の特徴を捉えて描かなければならないので、大まかな形や最低限描かなければならないことを選び取って描く力が養えます。
クロッキーを行うことで、画面に一番必要なことを踏まえながらデッサンをすれば、途中で描き直したり、時間内に何を描いたかがわからないまま終わってしまうようなことはなくなるのではと、今回はバナナと胡瓜のクロッキーもすることにいたしました。
バナナは特徴を捉えるのが簡単だったようですが、胡瓜の特徴を捉えるのがなかなか難しかったようです。
そして、デッサンです。バナナのクロッキーが割合簡単だったように、バナナのデッサンも以前行ったリンゴやサツマイモ、玉ねぎのデッサンよりも簡単だったようです。
なかなか上手にあっさり描き終わったので、この日は人物クロッキーも行いました。
モデルさんも、描く側のお子さんも、見つめ合うと何故か可笑しくなってこらえきれずに笑ってしてしまい、予想以上に盛り上がりました!
お子さん達は完成した絵を他の人にお見せしたくないそうなので、こちらは載せることができず残念です。なかなか似ていたのですが。モデルになってくれたK君、どうも有難う。
(↓写真の上6枚がバナナと胡瓜のクロッキーで、下6枚がバナナのデッサンです。写真はクリックすると拡大します。)