若草のみどりがまぶしい季節にまりました。
4月のこどもクラスでは花を描いております。今回描いている花はダイアンサス、和名はナデシコです。カーネーションもナデシコ属でよく似ているため、母の日まで飾っていただくのにちょうど良いかとこの花を描くことにいたしました。
花を描く前に、生徒さんたちに様々な素晴らしい作品と出会っていただきたく、美術館で最近展覧会を行なったアーティストの作品をご紹介させていただきました。三菱一号館美術館で展覧会を開催中の上野リチさんの作品と、横須賀美術館で4月10日まで開催されていたミロコマチコさんの作品です。
上野リチさんも、ミロコマチコさんも、写実的な絵を描かれる作家さんではありません。上手に描くことが良いことだという感覚を持っているお子さんも多いため、現代の作家の作品を紹介すると、お子さんたちの中にはどうしてこれがすごいの?と首をかしげる子もいます。
なぜ写実的ではない絵画が現代で評価されているのかを、お子さんたちが良く知っているレオナルド・ダ・ヴィンチと、ピカソの絵を比べて説明していきました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの時代の絵画は、写真が発明されるよりずっと前の絵画です。レオナルドの時代には現実的・科学的に捉えることが大切にされましたが、その時代からずっと後に写真が発明されてから、肖像画など記録の媒体としての絵画の必要性が薄れたため、画家たちは新しい表現の可能性を求めてきました。ピカソは写真誕生以降の画家です。ピカソの絵はお子さんたちから見ると理解に苦しむ難しい絵のようですが、あらゆる角度から見て捉えたキュビズムという新しい絵画様式を生み出したところに価値があります。
小学生にもわかるように噛み砕いて説明しましたが、さすがに低学年のお子さんには難しかったようです。
さて、ダイアンサスの花をどのように描いたかですが、最初は一分間で短く2回スケッチをし、次に丁寧に線で捉えて1回じっくりスケッチをし、最後にダイアンサスの花を自分らしく自由な構想で描いてもらいました。
デッサンのように時間をかけて見たものを全て写実的に描くのではなく、スケッチは短い時間で対象から余計なものを削ぎ落とし特徴を捉えるため、全体像や対象の本質をつかむ訓練になると言います。
小学生は、画用紙の端の方から部分的に丁寧に絵を描き始めるお子さんが多く、絵を描き進めるにつれて画用紙の中に対象がバランス悪く偏ってしまい、殆ど絵が描き終わる頃に描き直す羽目になってしまうという場面がよくあります。最初に描く物の全体を捉えることができるとそういった失敗はなくなるため、短い時間のスケッチがとても効果的です。
最後に自由な構想で描いていただきましたが、お子さんたちそれぞれの楽しいアイディアで素敵な絵が完成しました。
お教室に通ってくださっているのは絵が大好きなお子さんばかりです。難しい課題でも一生懸命取り組んでくださるその姿勢が本当に素晴らしいと思ったレッスンでした。
↓日曜日前半クラス作品↓
(画像はクリックで拡大します。是非拡大してご覧ください。)
↓土曜日前半クラス作品↓
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↓日曜日後半クラス作品↓
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↓土曜日後半クラス作品↓
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