落ち葉の彩りが美しい季節です。
10月のこどもクラスでは、水彩画の技法であるウェットインウェットで落ち葉を描きました。
お教室では、せっかくいらしてくださったのだから何か一つでも学んでいって欲しい、そんな思いでレッスンをしております。絵画の時間には有名な画家の紹介や、美術がきっかけで他の教科に興味がわくような内容も取り入れるようにと心がけてきました。
コンクール入賞者も毎年多数いらっしゃる当教室ですが、私自身は実はあまりお子様の絵を評価の対象にすることや、絵を上手に描かせようと教え込むことは好きではありません。絵や工作を通して表現する喜びを知り、様々なことに興味を広げる楽しい体験をしていただきたいと思いレッスン作りをしております。
先日、脳科学者の茂木健一郎さんがYouTubeで日本の美術教育の問題点をお話しされており、画一的表現を教えることと絵を評価することへの疑問を熱くお話しされており、なるほどなぁと思いました。
今回の絵画のレッスンでは、制作に入る前に、高野紀子さん作の「和の行事えほん・秋と冬の巻」の10月のページをご紹介させていただきました。可愛らしくも美しいイラストとともに、10月がどんな季節なのか、そのあれこれが書いてある素敵な本です。
絵の題材として四季折々のモチーフも使用されることが多いため、それぞれの季節にどんなことがあるのかという知識があるとより深く季節を描けるのではと思います。紅葉にまつわる言葉では「錦秋」や「照葉」なども美しい言葉も載っていました。「山粧う」という言葉も美しいですね。ちなみ春は「山笑う」、夏は「山滴る」、冬は「山眠る」と表現するそうです。
季節のお話しで秋のイメージを膨らませていただいた後に、ウェットインウウェットという水彩画のにじみの技法で落ち葉を描いていただきました。
お教室を始めた当初は教え込むことに抵抗があったため、創造力を育んでいただこうととにかく自由に作っていただいておりましたが、経験則から「様々な素材にふれて様々な作り方の方法がある」ということを教えて差し上げなければ出来ないことも多いということがわかり、技術的なこともお伝えしていくようになりました。
ウェットインウェットの技法を使って学校で描いたことがあるというお子さんもいらっしゃいましたが、水9:絵の具1くらいの割合で滲ませながら描くのは初めてという生徒さんには小さな感動の体験だったようです。今回は、滲ませた絵の具が乾く前に塩をかけてみる技法にもトライしていただきました。
時間に余裕があった場合には、秋を感じさせる額のデザインもしていただきました。お教室で学んだ事を学校やご家庭でも生かし、楽しく生き生きと制作して頂けたらと思います。
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